● 体の辛さを感じていませんか
看護師は、24時間患者さんの健康と命を守るために日夜不眠不休で働いています。普通のOLさんと違って、夜勤や交代制勤務があります。ただでさえミスが許されない高いストレスの現場で働いているだけでなく、生活リズムが一定でないため、体調を整えることがとても大変です。
現在、潜在看護師といわれる看護師免許を持ちながらも、何らかの理由があって現場で働いていない看護師が54万人もいるといわれています。子育てや介護など、家族の理由でやむをえず休んでいる方もいますが、体や心の不調から離職をせざるを得なくなった方もたくさんおられます。
まず、ご自分の今まで「大丈夫、大丈夫。ちょっと休めばまた働ける」と思ってきたと思いますが、今一度、体のつらさについて考えてみてください。
● 夜勤・交代制のつらさを軽減させたい
看護師の仕事は、ミスが許されない仕事です。そのため、夜勤が続いたり交代制勤務による疲れなどがたまってきたりすることは、患者さんの安全にとって大きなリスクとなる可能性があります。
看護師として長い人生をずっと働き続けていくことがきるようにするためには、夜勤・交代制による疲れを最小限にし、できるだけ疲れをため込まず、こまめに解消していくことができる勤務体制を整える必要があります。
このようなリスクマネジメントの考え方について、日本看護協会からガイドラインが出されたり、各都道府県、各病院に広まり続けています。
● 体のつらさ無理しないことが患者さんのためになる
「頭痛・腰痛・かたこり・めまい」「朝起きるときつらい」「なかなか寝付けず睡眠不足」「痛みや病気ではないかと心配なまま放置している」などこんな症状はありませんか。
病気の知識が十分にある看護師さんでも、自分の痛みは感じていても「病気である」とはなかなか気づかないことが多々あります。周囲の人から「ちょっと休んだら」「最近とてもつらそうだよ」等何度か言われたら、無理をしないようにしてください。気になるところがあるなら、思い切って受診に踏み切ることもとても大切です。
● 体のつらさが心の問題のことも
看護師さんに語るのは非常に恥ずかしくも思いますが、体のつらさが実はメンタル不全の信号であったということがよくあります。
朝にひどく体が重く、腰痛や頭痛、めまいがひどく起きられないのに、午後の終了時間になるにしたがって体が軽くなって症状が治まってくる。あるいは、睡眠に関しても、起床予定時間よりも1時間や2時間も早く起きてしまい、そのあとなかなか眠ることができない。そして、これらについて専門医を受診しても、どこにも異常がないといわれた場合は、メンタル不全による症状であることも疑ってください。
若いころは感じていなかったのに、休みをとってもだんだん疲れがたまってきて、もうこれは倒れてしまうかもしれない…という思いを抱えながら働いている方もたくさんいます。
メンタル不全による仕事の復帰は半年から一年もかかってしまう場合あります。もしもちょっと怪しいかもと思っているのなら、早期発見早期治療が大切ですから、どうか専門医を受診することを考えてください。
● 組織で取り組むことも
看護師がずっと長く健康で働き続けるためには、組織としての職場全体での体制づくりや風土をより働きやすく改善していくことが大切になります。
のちに記述しますが、女性の人生にはターニングポイントがたくさんあります。結婚・出産・育児・親の介護・夫の転勤など、加齢による体調の変化もあります。こういった節目には家庭と仕事とのバランスをとるために、働き方を変えて無理を重ねないように上手に調整していくことが大切です。